1960年代の香港。高度経済成長に沸く街の裏側では犯罪組織が醜い勢力争いを続けていた。詠春拳の正統争いでイップ・マンに挑み、敗れたチョン・ティンチは武術界を去った。彼は闇の仕事からも足を洗い、小さな食料品店を営みながら息子フォンと共に穏やかな生活を送り始めていた。ある日、ティンチは街を仕切る犯罪組織の幹部キットとその手下に追われていたナイトクラブの歌手ジュリアとホステスのナナの窮地を救う。だが、そのことで彼はキットの恨みを買い、住居兼食料品店に放火されて店も住む場所も失ってしまう。ジュリアはそんなティンチ父子を、ナイトクラブを経営する兄フーに紹介し、仕事と住居の世話をする。一方、香港屈指の犯罪組織の女ボス、クワンは将来を見据え、組織を合法的企業にしようと考えていたが、弟のキットはそれに反対、ヘロイン密売組織の黒幕デヴィッドソンと手を組む。やがて、ヘロイン密売をめぐってティンチの恩人たちが次々と命を落としていく。怒りに燃えたティンチは、封印していた武術を正義のために使うべく、悪の巣窟へとたった一人で乗り込むのだった…。